カキノキ
ツツジ目 カキノキ科
落葉の高木で、高さは10mくらいになります。 中国西部の原産で奈良時代以前に渡来したという説と、山地に自生するカキノキの変種のヤマガキから日本でつくられたという説があります。 ヤマガキ自体も日本の在来種という説と中国原産という説があります。 いずれにしても、カキノキ属の染色体は通常2倍体であるのに対しカキノキは6倍体であることから、古くからの栽培種と考えられています。 花は5月~6月に咲き、雌雄同株で雄花と雌花があります。 果物としての柿は日本が発祥で、学名の種名もkakiとつけられています。 飛鳥時代の歌人の柿本人麻呂の家の門のそばに柿の木があったといわれ、この時代には柿の木があったようなのですが、万葉集には柿の実や干し柿の歌はなく、弥生時代以降でないと遺跡から柿の種が出土しないといわれ、いつの時代から柿の実が食べられていたかよくわかっていません。 平安時代後期の類聚雑要抄(るいじゅうぞうようしょう)という東三条殿における装束(室内の装いや調度とその配置としての意味)について書かれた書物には、干し柿を菓子として食べていたことが書かれているそうです。 カキノキの材は心材の黒いものが珍重され、黒柿と呼ばれて茶道具や床柱などに使われてきました。 (写真)花 2020.5.25 加東市畑