シャクチリソバ(シュッコンソバ)
ナデシコ目 タデ科
北インド~中国南西部原産の多年草で、高さは0.5~1mになり、河川敷に生えています。 日本には明治時代に薬種として持ち込まれ、昭和時代の初めに東京大学の小石川植物園で栽培された他、日本各地でも薬草として栽培され、逃げ出したものが北海道~九州で野生化しています。
加古川では、中流の河川敷でよく見られます。 花は、7月~10月に咲きます。 ソバは葉が五角形であるのに対し、シャクチリソバは三角形であることで見分けることができます。 ソバと同じような種子ができ、ソバの種子は熟すと黒褐色になりますが、シャクチリソバの種子は栗褐色になります。 また、シャクチリソバの種子は、えぐ味が強く食用にはなりません。 植物学者の牧野富太郎が、中国の明時代の書物「本草綱目(1578年に完成)」に書かれている「赤地利」のことだとして命名しました。 地下に根茎を残して越冬するためシュッコンソバ(宿根そば)とも呼ばれます。 シャクチリソバには2倍体と4倍体があり、2倍体は中国南西部とチベット地方、4倍体は中国南西部、タイ北方とインド西北部に分布します。 (写真)2011.10.29 加東市野村