カタクリ
ユリ目 ユリ科
落葉広葉樹林に生える多年草で、花茎の高さは10~20cmになります。 日本の北海道~九州(熊本県)と、朝鮮半島、千島列島、サハリン、ロシアの沿海州に分布します。 日本では中部地方以北に多く自生しますが、西日本では隔離分布し、自生地は限られています。 加古川流域では丹波市、篠山市、加西市に自生地がありますが、加西市の自生地は昔のお寺の参道沿いにあり、他の場所では見つかっていないことから、昔に植えられた可能性があると考えられています。 花は4月~5月に咲き、日が当たると花が開きますが、日が当たらないと閉じたままです。 葉は早春に地上に現れ、5月下旬になると姿を消してしまいます。 そのため地下茎(鱗茎)に養分を貯めるのに時間がかかり、種子が発芽してから花が咲くようになるまでに7~8年かかります。 多年草であり、植物個体の平均寿命は40~50年といわれています。 種子の端っこには昆虫のアリが好む物質を含んだエライオソームというものが付いており、アリが拾って運ぶことにより分布を広げます。 昔は鱗茎からデンプンを取り出して片栗粉として利用していましたが、現在の片栗粉はジャガイモやサツマイモのデンプンで作られています。
兵庫県レッドデータブック:Cランク (写真)2019.3.23 加西市