フキ
キク目 キク科
山の沢や湿り気の多い斜面、林縁、川岸などの水が豊富なところに生える多年草で、葉の高さは0.6~1mになります。 日本の北海道~沖縄と、朝鮮半島、中国、サハリンに分布します。 関東地方以北に生える「秋田ブキ」は葉柄が2mほどに伸び、フキの倍数体といわれます。 花は3月~5月に咲き、雄株と雌株があります。 早春に葉が出る前に花茎が伸びだし、フキノトウと呼ばれます。 雌株の花茎は高さが15~20cmですが、花が終わった後45~70cmに伸びます。 雄株の花茎は高さが10~25cmです。 雌株は雌花に花粉を出さない両性花が混じり、花冠が白色で紫色を帯びたものもあります。 両性花は蜜を出しますが雌花は蜜を出さず、雌株に両性花が混じってつくのは、花粉も蜜もない雌花に昆虫を呼び寄せるためと考えられています。 雄株は花冠の色が白色~黄白色の両性花をつけますが、雌しべの柱頭に花粉がついても受精しません。 雄株の花は花粉まみれで黄色味を帯びた花冠がよく目立つのに対し、雌株の花は花冠から突き出た柱頭が白い糸のように見え、遠目にも見分けることができます。 フキの茎(葉柄)やフキノトウは野菜や山菜として食べられていますが、馬や鹿などの動物には有毒で酔ったようになることから、フキを食べることはありません。 フキの地下茎は人間にも有毒なので、注意が必要です。 (写真)雄株 2017.4.2 丹波市青垣町
(写真)雌株 2017.4.2 丹波市青垣町
(写真)雌株 2019.4.13 多可町八千代区
(写真)葉 2019.4.16 多可町加美区