イヌタヌキモ
シソ目 タヌキモ科
湖沼、ため池、水田などに生える多年生の浮遊植物で、茎は細く全長は1mに達します。 日本の北海道~沖縄と、アジア、アフリカ、オーストラリア、ヨーロッパに分布します。 花は、7月~9月に咲きます。 葉は水中で細かく羽状に分かれ、多くの捕虫嚢をつけてミジンコなどの小動物を捕まえる水生の食虫植物です。 自分で消化酵素を出すのではなく、捕虫嚢に生息するバクテリアの力を借りて捕まえた小動物を消化します。 よく似た仲間に、ノタヌキモ、タヌキモがあります。 ノタヌキモは葉の裂片が三次元に展開し、イヌタヌキモとタヌキモは二次元で平面的に展開することで見分けられます。 タヌキモは花茎の断面を見ると中心部が中空になっていますが、イヌタヌキモは中空となる部分がないことで見分けることができます。 秋以降に側枝の先端と頂端に殖芽をつけ、この特徴も重要な区別点となります。 タヌキモの殖芽は球形で暗緑色なのに対して、イヌタヌキモの殖芽は楕円形で暗褐色であることでも見分けることができます。
環境省レッドデータブック:準絶滅危惧
(写真)花 2016.9.24 加西市玉野町
(写真)殖芽 2019.11.30 加西市笹倉町