ミツマタ
アオイ目 ジンチョウゲ科
中国~ヒマラヤ原産の高さ2mほどになる落葉低木で、古くから和紙の原料として東北地方以西で栽培されてきたものが野生化しています。
日本には渡来した時期は不明で、室町時代とか慶長年間(安土桃山時代~江戸時代初め)という説がありますが、万葉集にでてくる「三枝(さきくさ)」がミツマタのことだともいわれており、この場合はもっと古い時代の渡来になります。 花は3月~4月に咲き、花粉は昆虫が運びます。 花には花弁(花びら)がなく、花弁のように見えるのはガクです。 枝が必ず三つ又になることからミツマタと名づけられました。 樹皮の繊維は、江戸時代以降に和紙の原料として多く使われるようになりました。 他の和紙の原料となるコウゾやガンピに比べて細くて弱いのですが、栽培しやすいこと、紙にするとツヤがあってしなやかで美しいこと、機械すきができることから普及し、精巧な印刷に耐え透かしが入れやすく強度があることから、明治時代以降は紙幣の原料として使われています。 (写真)2016.4.3 多可町加美区