ヤブツバキ
ツツジ目 ツバキ科
常緑の小高木で高さ5~6mになりますが、中には高さ15mを超える高木になるものもあります。
照葉樹林の構成種で、特に海岸近くに多く見られます。 花は11月~4月に咲き、花粉は昆虫も運びますが、主に野鳥のメジロやヒヨドリが蜜を吸いに来て運びます。 日本の本州、四国、九州、沖縄と朝鮮半島南部、台湾に分布します。 冬に花が咲くので昔から多くの園芸品種が作られ、公園や庭に植えられています。 常緑で日陰でも花をつけることから、ヨーロッパでも園芸植物として好まれています。 花は、天ぷらにして食べるとおいしいです。 果実からは椿油が採れ、食用だけでなく灯火用、刀のさび止め、整髪料などに使われてきました。 日本酒の醸造には木灰が必要で、ツバキの木灰が最高とされています。 名前の由来は、「厚葉木(あつばき)」からきたとも、「艶葉木(つやばき)」からきたともいわれています。
本州の東北地方から北陸地方の日本海側の多雪地帯に分布するユキツバキは、これまでヤブツバキの亜種か変種と考えられてきましたが、ヤブツバキの花粉は主に鳥が運び、ユキツバキの花粉は主に昆虫が運ぶことからも生殖的な隔離が行われていると考えられ、現在では別種である可能性が高いといわれています。 (写真)2019.1.2 加東市平木