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里山保全活動

私たちの会では平成 9 年から兵庫県南東部で昭和 40 年代頃の里山を復活する取り組みを行なっています。

毎月第一日曜を定例活動として、整備、保全を進めています。

 

この 2、3 年の間に、里山は今までとはちょっと違った姿になりました。今まで春にはあまり見られなかった植物や昆虫が姿を見せてくれるようになってきました。クヌギの間伐材を利用して春と秋にはシイタケが取れるようになりました。秋になるとクリが今まで以上にたくさんの実を付けるようになってきました。やぶだらけで荒れ放題の山がたくさんの生命を宿してくれる生きた山に戻ってきています。


ここでは、ヒトが積極的に働きかけて新たな生態系が、いや、ほんのちょっと昔の人里の生態系がつくられようとしています。 

里山とは

田んぼや畑の裏にある、裏山、少し前まで、これらの裏山のアカマツ、コナラ、クヌギからまきや炭が作られたり、農業に必要なたい肥や木灰をつくるため、木だけでなく枯れ葉なども集められました。また山の中でかくれんぼをしたり、かけまわるなど、子どもたちの遊び場でもありました。人家のまわりにあって、私たちの生活になくてはならなかったこの山を “里山” と呼んでいます。

 

里山では、イノシシ、タヌキ、ホンドイタチのほか、最近では少なくなったノウサギも見られました。昆虫もコナラやクヌギの樹液を吸うカブトムシ、クワガタムシなど、ほかにチョウやトンボ、日本の昆虫はほとんどこの里山に棲息しています。

田んぼや畑の裏にある、裏山、少し前まで、これらの裏山のアカマツ、コナラ、クヌギからまきや炭が作られたり、農業に必要なたい肥や木灰をつくるため、木だけでなく枯れ葉なども集められました。また山の中でかくれんぼをしたり、かけまわるなど、子どもたちの遊び場でもありました。人家のまわりにあって、私たちの生活になくてはならなかったこの山を “里山” と呼んでいます。

 

里山では、イノシシ、タヌキ、ホンドイタチのほか、最近では少なくなったノウサギも見られました。昆虫もコナラやクヌギの樹液を吸うカブトムシ、クワガタムシなど、ほかにチョウやトンボ、日本の昆虫はほとんどこの里山に棲息しています。

 

今では、LPガスや都市ガスが利用され、肥料も化学肥料になってしまっために、、里山もほとんど利用されなくなってきています。里山の林のようすが変わってきました。生活が便利になり、まきや枯れ葉がいらなくなったので、人の手が入らなくなった里山では、コナラやクヌギが大きく育ち、その下には次の林の主役となるアラカシ、ヒサカキなど常緑の木々が生えています。またトゲのあるサルトリイバラ・ニガイチゴや、ツルになって巻きつくクズ・ヤイトバナ・フジなどがはえて、暗く、入りにくい林となっています。

 
このようにして今まで咲いていた草花までが咲かなくなり里山がどんどん死んでいっています。このように利用されなくなった里山を、このまま放っておくと、常緑の木がますます多くなり、林のなかがますます暗くなって、かぎられた種類の樹木しか生えない貧しい林となってしまいます。

 

私たちの会では、この林の常緑の木を刈り取って明るい林にする取り組みを始めています。平成9年から取り組み始めたこの活動も5年が過ぎました。暗かった里山も今では明るくなり、毎年様々な山野草が咲き乱れています。また兵庫県ではため池が多く、それらのため池には貴重なタナゴ類の魚が棲息している池があります。ため池の周りに覆い尽くされている樹木や雑草をを刈り取り、明るいため池にしなければ魚も増えません。それらの貴重な魚を保護するために魚を別の溜池に移植し、増やす試みも行ってます。

 

(写真は2003 年 4 月 19 日(土)タナゴの移殖池で今まで以上にたくさんの二枚貝の繁殖を確認)

保全実施内容

平成9年度
  池の保全対策
        地元の協議を行い池の改修計画を策定する。
  危機管理体制の確立に移植池の確保策
       本年2月に二枚貝の移植実験を実施する。
       この池と周辺私有地の利用と山林の整備について所有者と協議

 

 

平成10年度
  池の保全対策
     池の改修工事を実施する。 
  外部からの被害防止策
     フェンス工事を行う 
  危機管理体制の確立に移植池の確保対策
     移植池に移植した二枚貝(ドブ貝B型)の生育実験
     移植池周辺の整備(池をおおっている植物を伐採)の実施
     7 月頃まで生育状況に変化がなければ、ヨシノボリとメダカを移植する。  
     9 月以降にニッポンバラタナゴを移植し、生育実験を実施する。 

 
    
平成11年度
  池の保全対策・外部からの被害防止策
     フェンス工事のかわりに立て看板を設置し様子を見る。       
     (生息池周辺及び地元自治会にて看板「大谷自治会は、この地域の
      生物すべてを保全し、保護しています。」を12ヶ所設置しました。)
     ☆井戸の確保(移植池周辺の整備による水源涵養調査;12、13年度)   
     ☆水質検査と二枚貝の生息調査

     ☆ニッポンバラタナゴなどの繁殖状況調査

  危機管理体制の確立に移植池の整備
     ニッポンバラタナゴの繁殖が確認されれば、ギンブナ、
     イチモンジタナゴとシロヒレタビラを移植する。
  里山の保全対策
     この地域を昭和40年代の里山に復元させることを地元と協議する。

     移植池周辺の整備(池をおおっている植物を伐採)の実施。 

 
  
平成12年度
  池の保全対策・外部からの被害防止策

      危機管理体制の確立に移植池の確保対策整備
     ☆移植池の水量の確保が困難な場合、井戸を確保する。(計画)
     ☆生育調査の実施
  里山保全対策
    生息池周辺と移植池周辺の自然環境を昭和40年代の里山に復元する。      
      この地域に生息する希少種(昆虫:ヒメタイコウチ、ヒメヒカゲなど  
     植物:トキソウ、サギソウなど)の生息保全保護対策。(計画)
     生息池周辺の休耕田を借用し、生息保護を図る予定
     休耕田の借用にあたり土地所有者と協議し、借用の承諾を得る。

  
平成13年度
  池の保全対策・外部からの被害防止策

  危機管理体制の確立に移植池の確保策
      ☆移植池の実験が軌道にのり、今後永久的に利用することに
       なれば防災対策を施す→堤防等の補強(計画)
      ☆生育調査の実施→希少種危機管理システム手法の作成
  里山保全対策:里山管理の実践活動手法を作成する。
  この地域に生息する希少種(昆虫:ヒメタイコウチ、ヒメヒカゲなど  
      植物:トキソウ、サギソウなど)の生息保全保護対策。

      生育状況調査の実施

 

 

 

これ以降は、地元、行政と共同でこの対策を里山保全として管理する。
希望として、環境教育の実践活動フィールドに活用できるシステムを考える。

里山の四季

春の里山    /    夏の里山  /    秋の里山

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